シベリヤ抑留「ラーゲリ群島」放浪記(3)捕虜のまた捕虜2022/8/24 10:00有料プラン記事月刊「丸」あの戦争から今へ反応武装解除された日本兵たち。その後、シベリヤへ抑留され強制労働をしいられた(月刊「丸」・昭和63年6月号収載。筆者は陸軍通訳生)昭和二十一年も四月半ばともなれば、さすがのシベリヤにも雪解けがおとずれる。この第四収容所にも……。五月に入ると、「自活農園」を耕作する兵五十名と通訳の井村、志賀を随行させよ、という命令が出た。カルトーシカ(じゃがいも)とカプースタ(キャベツ)をつくるそうで、収容所から約三十キロほど離れたところのエニセイ川畔であるとカンボーイ(監視兵)はいっていた。