障害者雇用守る無添加アイス 千葉市の福祉事業所、県内企業と開発

ちばミルク
ちばミルク

千葉市花見川区の障害福祉サービス事業所が新商品のアイスクリーム「ちばミルク」を開発、販売している。アイスクリームをコメでかためた無添加が特徴。新商品は、コロナ禍で既存商品の売り上げが減る中、事業所でアイスクリームを製造、販売する障害者の雇用を守ろうと、県内企業との連携で誕生した。

ちばミルクは県内産「八千代牛乳」を使用したアイスクリーム。生クリーム、卵、添加物を一切使用していない。従来のアイスは増粘多糖類などの食品添加物で溶けにくくなっているが、ちばミルクでは代替品として無添加の「コメのジュレ」を使ったことで、無添加アイスが完成。搾りたての牛乳の味を最大限引き立たせることもできた。

花見川区の事業所「オリーブハウス」が、無添加食品の製造や販売などを行う千葉市若葉区の「千葉産直サービス」、八千代牛乳を生産する八千代市の「千葉北部酪農農業協同組合」と共同開発した。

オリーブハウスの既存商品「ルフトアイス」は小学校などでの対面販売が中心だったこともあり、コロナ禍で売り上げが減少し、製造回数が少なくなる危機に直面。そのため、コロナ後も見据えて新ブランドを立ち上げることで事業所のアイスクリーム班で働く障害者6人の雇用を確保しようと1月、開発が始まった。

「完成に至るまで試行錯誤の繰り返しだった」。オリーブハウスの山本伸一さんはそう振り返る。砂糖の種類や低温殺菌の温度など、多岐にわたる組み合わせを29回試作し、30回目で完成したという。千葉産直サービスの冨田正和社長は「開発の過程では、温度が1度違うだけで味が大きく変わる。原材料と工程にこだわって製造してきた経験をいかせた」と話す。

商品名は酪農発祥の地である千葉を前面に出した。地元企業との連携による地域活性化も目指している。

JR西千葉駅南口の千葉産直サービス直営店「FOODSTORYこころび」で330円、オリーブハウスの直売所とオンラインでは300円で販売。

問い合わせは、オリーブハウス(043・216・8211)

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