女性報道写真家の草分けとして知られた、笹本恒子(ささもと・つねこ)さんが15日、老衰のため死去した。107歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。喪主はおい、正男(まさお)氏。
昭和15年、財団法人写真協会に入り、日独伊三国同盟の関係者らの会合など日米開戦前夜の現場を記録。戦後は日米安保闘争など現代史に残るシーンを取材した。
一時撮影から離れたが、60年、昭和史をテーマに撮りためた作品による個展「昭和史を彩った人たち」が反響を呼び、70代で写真家として復帰。作家の宇野千代さんや俳優の沢村貞子さんら、明治生まれの女性を撮影するなど、意欲作を発表。平成28年には、写真界の世界的な賞である米国の「ルーシー賞」を受けた。100歳を超えても積極的に活動し続けた。