安藤政明の一筆両断

「初任給42万円」のインパクト

安藤政明氏
安藤政明氏

7月下旬、サイバーエージェント(以下「CA」と略します)が、来年新卒の初任給を42万円に引き上げると発表しました。平均的な大卒の初任給は22万円程度。平均的な初任給の約2倍ですから、そのインパクトは半端ではありません。この42万円に「固定残業代月80時間分」が含まれていることも注目され、さまざまな意見が飛び交っている状況です。

固定残業代とは、あらかじめ一定の残業時間を見込んで、残業代を固定額で支給するものをいいます。実際の残業時間数が少なかったとしても、固定額の支給を保障します。逆に実際の残業時間数が多く固定残業代で不足するときは、超えた差額を追加支給します。「固定」残業代でも、残業が多ければ「固定」ではないのです。その前に、固定残業代が月80時間分でも、実際に80時間の残業が義務づけられるわけではありません。ただ、固定残業代として月80時間分を設定すること自体に、さまざまな意見があるわけです。

まずは42万円の内訳を確認します。所定労働時間数がわかりませんので、仮に月170時間とします。また、46時間分の深夜手当も含まれているようなので、これも考慮します。その結果、42万円の内訳は「基本給約25万3千円、固定残業代16万7千円」くらいだと思われます。固定残業代を差し引いても25万円超ですから、初任給としては高いと言ってよさそうです。

CAは、平均的な残業時間数として月31時間と公表しています。この数字を当てはめると、残業代は基本給25万3千円に対して5万8千円程度です。合計31万1千円。しかし固定残業代込み42万円が支給されるわけですから、従業員にとってはいい話のはずです。ただ本当に31時間ならば、固定残業代として80時間も設定する必要性が低く、残業実態がどうなっているのかと気になるところです。

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