<独自>安倍氏警護 組織対応欠く 警察庁、週内にも検証結果

安倍晋三元首相(67)が奈良市での参院選の演説中に銃撃され死亡した事件で、警察庁が事件の検証結果に、警護計画や現場の警護体制などで組織的な対応を欠いたとする内容を盛り込む方針を固めたことが21日、警察当局への取材で分かった。都道府県警察が作成する警護計画を事前に点検するなど警察庁の関与強化を図る。事件の検証と警護警備の見直しは週内にも公表される見通しだ。

警察庁は、事件を受け警護警備の基本的事項を定めた「警護要則」を約30年ぶりに見直す方針。要人警護の機会が少ない地方の警護担当者の能力底上げを図るため警護担当者の研修拡充や、200~300人いるとされる警視庁のSP(セキュリティーポリス)の増員も検討課題だ。

安倍氏の7月8日の演説を巡っては、奈良県警が警護計画を作成。計画は同じ場所で6月25日に演説した自民党の茂木敏充幹事長のケースを参考に立案した。警察庁は「前例の計画を安易に踏襲した」とみている。現場には制服警察官が一人も配置されていなかったが、これも県警が長年の前例を踏襲したものだった。

警護計画では安倍氏の背後の警戒は1人の警護員が担っていたが、演説直前に位置が変更され、警戒方向も安倍氏前方に切り替えられた。その結果、誰も背後を警戒する者がいなくなったが、変更情報は、現場の指示役や他の警護員には共有されていなかった。

こうした状況から、警察庁は、警護計画の立案から実際の警護警備に至るまで「組織的な対応が不十分だった」と判断。これまで警護計画は現役首相以外は警察庁が事前に点検する仕組みになっていなかったが、今後は「第三者」的な視点で、事前に点検するなど警察庁の関与を強化する必要があると判断した。

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