主張

ミャンマー問題 ASEANは介入強めよ

東南アジア諸国連合(ASEAN)は今月初めのカンボジアでの外相会議で、国軍のクーデターから1年半になるミャンマー情勢を協議し、政治犯4人の死刑執行などに懸念が示された。

共同声明では、ASEANが昨年4月の特別首脳会議で合意した、暴力行為の停止や平和的解決に向けた対話の開始など5項目について、国軍が十分履行していないと「深い失望」を表明した。

内政不干渉を標榜(ひょうぼう)するASEANにとって、加盟国への名指しの批判は異例である。国軍による民主派弾圧を座視しないとの決意を示したと受け止めたい。

会議では、すべてのASEANの閣僚級会合から国軍を締め出す案も議論になった。重要なのは、加盟国が一丸となって国軍に強い圧力をかけることである。11月の首脳会議開催時など、期限を設けて5項目履行を迫るべきだ。

国軍関係者が招かれなかったミャンマーは、5項目履行への評価を「一方的」と批判し、声明に盛り込まれた自国に関する文言を拒否した。

人権団体によると、国軍の弾圧により2100人以上が死亡した。平和的な抗議を封じ込められた民主派の一部が武装し、衝突の危険が高まっている。

国連のミャンマー担当事務総長特使がクーデター後初めてミャンマーを訪れ、17日、国軍側と接触したが、民主政権の指導者だったアウンサンスーチー氏との会談はかなわず、成果はなかった。

ASEANは迷わず介入すべきだ。手をこまねいていては、中国やロシアなど弾圧に「寛容」な大国の国軍取り込みを許すだけだ。ASEANの存立にもかかわる深刻な事態と認識すべきである。

ロシアのラブロフ外相は、ASEAN外相会議後の東アジアサミット(EAS)外相会議への出席の途上、ミャンマーを訪問し、国軍支持を表明した。だが、EASでは、林芳正外相の発言時、中国の王毅外相とともに退席した。EASは、ASEANが域外国にも対話と信頼醸成のための機会を提供する場だ。ASEANを軽んじる横柄な態度は容認できない。

ロシアのウクライナ侵略により国際秩序は揺らいでいる。ASEANも地域機構として在り方を再考せねばならないのは当然だ。日本は対等なパートナーとして協力したい。

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