都民の警察官 横顔

(3)細川裕正警部補(58) パトカー運転や職質の達人

第2自動車警ら隊の業務運営の円滑化や後輩の指導などで活躍する細川裕正警部補=警視庁滝野川庁舎
第2自動車警ら隊の業務運営の円滑化や後輩の指導などで活躍する細川裕正警部補=警視庁滝野川庁舎

警察官の神髄ともいえるパトカーの運転や職務質問のエキスパートとして活躍してきた。現在は計約120人の隊員を抱える第2自動車警ら隊で、全体の計画を統括する重責を担う。

警察官を志したのは自身が被害者となった経験からだった。小学校を卒業直後、高校生にナイフをちらつかされ、現金を脅し取られた。地元の警察に相談したところ、数日で事件が解決した。「自分も悪い人を捕まえられるようになりたい」。高校卒業後、警視庁に入庁した。

当初、自分のような少年の被害を防ぎたいと少年犯罪を扱う少年係を志望。ただ、配属先でパトカー勤務をするうちに、仕事の魅力に目覚めた。運転しながらパトロールする運転技術を高めるため、研修にも積極的に参加を志願し、技術を磨いた。

職務質問では、「相手のしぐさを見逃さず、勇気を出して声をかけることが重要」という。その意識を高めた事件がある。第9方面自動車警ら隊員だった平成15年、路上で強盗事件が発生した。現場から逃走した男の特徴は、「野球帽をかぶり、右手拳で被害者を殴打した」という情報だった。

現場に急行し、周囲を捜索していたところ、情報と酷似する若い男を発見し、すぐにパトカーをUターンさせ、声をかけた。事件の関与を否定し続ける男だったが、右手の拳が赤くなっていることを見逃さず、男を説き伏せた。

23年の東日本大震災発生直後には宮城県に派遣され、避難所のパトロールなどを担った。被災者からは「被災して初めて見たのが警視庁のパトカーだった。東京から助けに来てくれたと思い感動した」と声をかけられ、「安心を守っているというやりがいを感じた」と話す。

第2自動車警ら隊では、これまでの経験を生かし、後進を育てる要としての役割も期待されている。

「事故を起こすことなく、自分の身を守りながら、自信をもって仕事に当たってほしい」

かつて先輩から教わったように、警察官としての心得を伝え続ける。(塔野岡剛)

ほそかわ・ひろまさ 愛知県豊川市出身。昭和59年入庁。第4機動隊、荻窪署、第9方面自動車警ら隊などを経て令和2年9月から現職。家族は妻、長男、次男。長男は警視庁で交通部門に従事。趣味は城や寺社仏閣などの歴史的建造物巡り。

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