主張

尹政権の対日政策 行動なしの改善あり得ぬ

韓国の尹錫悦大統領は就任から100日の記者会見で日韓の「未来志向的な協力」を掲げた。

いわゆる徴用工訴訟問題の解決案について尹氏は、「主権問題の衝突なく債権者(原告)が補償を受けられる方策を検討中だ」と述べた。

日韓の賠償問題は、1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決」している。国交正常化の大前提である協定を反故(ほご)にし、日本企業の資産売却命令が確定して現金化されれば、日韓関係は破綻する。尹氏はあらゆる手段を講じて現金化を防ぐ行動を取らねばならない。

徴用工訴訟では、日本企業が韓国で差し押さえられた資産の売却命令に再抗告している状態だ。19日にも韓国最高裁が再抗告を棄却し、売却命令が確定する可能性があるとの観測が出ていた。抗告から4カ月以内なら特別な審理なしに棄却できるとの規定があるためで、19日がその期限だった。

尹政権は最高裁の判断に先手を打つ形で、外交的な努力を尽くしているとの意見書を提出した。だが、原告側の説得を含め、日本を巻き込まずに韓国内で問題を完結させなければならない。

日韓の安全保障を揺るがす問題も新たに発覚した。韓国軍が日本の自衛隊機にレーダー照射などの強硬な対応をとる指針を作成していたことを韓国紙が報道し、当局側もその存在を認めた。事実上の交戦指針といえるものだ。日本海上空で海上自衛隊の哨戒機が韓国海軍の駆逐艦に火器管制レーダーを照射された事件から2カ月後の2019年2月に作成された。

問題の指針は公海上で接近してきた自衛隊機が警告に応じずに近距離飛行を保った場合、火器管制レーダーを照射して対抗するよう定めたという。照射はミサイルなどで正確に射撃するための準備で敵対的かつ危険な行為である。

しかも、対象は自衛隊機に限定され、ロシア機や中国機は含まれていなかった。

尹氏は日米韓の安保協力重視を掲げて大統領になった。15日の演説でも日本との協力の重要性を強調した。ならば尹氏は、レーダー照射の非を認めて謝罪し、問題の指針をただちに破棄すべきだ。

文在寅前政権時代の暴挙とはいえ、この問題をうやむやにしてはならない。それなくして、日本との関係改善も安保協力もあり得ないことを認識すべきである。

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