都民の警察官 横顔

(2)高速隊 小原眞治警部補(58) 交通面で要人守る〝職人〟

「リモコン」と呼ばれる無線指令台で隊員に指示する高速隊の小原眞治警部補=東京都中央区の警視庁高速隊本部(内田優作撮影)
「リモコン」と呼ばれる無線指令台で隊員に指示する高速隊の小原眞治警部補=東京都中央区の警視庁高速隊本部(内田優作撮影)

「歩行者が本線逆行中。各局それぞれ了解願います」

「リモコン」と呼ばれる無線指令台からきびきびとした指示が響く。警視庁高速道路交通警察隊(高速隊)の計画係主任として日夜、高速道路の安全確保に尽力。大規模警備時には、交通対策の企画立案や実施も担う。

地元・岩手の工業高校で電気科に進んだ。エンジニアと進路を迷ったが「人と接して犯罪や事故を抑止することはやりがいがある」と警視庁を選んだ。

赤坂署時代には警備課に配属された。管内に駐日米国大使館や赤坂御用地などがある警備の要衝で、「警備は0か100。失敗は許されない」との神髄をたたきこまれた。

平成12年に高速隊に配属され、以来、通算で14年勤務する。「ルーレット族」などの危険運転の取り締まりや、「一晩に4、5件は起きていた」という事故処理などを担当。転機となったのは、14年のサッカー日韓ワールドカップや米国のブッシュ大統領(当時)訪日の交通対策事務局に加えられたことだった。以来、先輩隊員の指導を受けながら、大規模警備に関わるようになった。

警備における交通対策は「警護車列の無停車が基本」だ。警備対象が停車すればテロリストなどから攻撃されるリスクは高まる。今年5月の日米豪印4カ国(クアッド)首脳会議の警備では、米国のバイデン大統領の移動中、一般道の交通状況から高速出口で停車しなければならない事態が迫った。小原さんは先導車両に減速するよう指示。バイデン氏らが円滑に出られる状況になるまで時間を稼いだ。

令和元年10月の天皇陛下の即位礼関連行事や、昨夏の東京五輪など、要人が集まる大規模警備で職人的な仕事が光る。外国要人は日程変更が多く、前日に計画の練り直しを求められることもしばしばあったが、首都高速への深い知識を駆使して安全な移動環境をつくった。今後の大規模警備を見据え、「歴代の先輩方に教わったことを今後の世代に伝承したい」と改めて表情を引き締めた。(内田優作)

おばら・しんじ 岩手県北上市出身。昭和58年入庁。第2機動隊、赤坂署、千住署警務係長などを経て、平成31年4月から現職。妻の千絵さん(55)と2人暮らし。趣味は映画鑑賞で、「最近は旧作の『トップガン』を見返していました」。

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