岸田首相、自民の改憲布陣「骨格」は維持へ 秋の臨時国会へ路線継続

第2次改造内閣が発足し記者会見に臨む岸田文雄首相=10日午後、首相官邸(春名中撮影)
第2次改造内閣が発足し記者会見に臨む岸田文雄首相=10日午後、首相官邸(春名中撮影)

岸田文雄首相(自民党総裁)は第2次岸田改造内閣の発足を受け、憲法改正に関わる布陣も「骨格」を維持する方向で検討に入った。党主導の改憲世論の喚起と、国会の議論を同時に進めて相乗効果を狙う路線を継続する。そのため、国会の議論を取り仕切る衆院憲法審査会の森英介会長(自民)や新藤義孝与党筆頭幹事(同)、自民の責任者となる古屋圭司憲法改正実現本部長が続投する公算が大きくなっている。

首相は21日まで夏休みに入っており、秋の臨時国会に向け、憲法改正を含む政治日程に頭をめぐらしている。改憲の旗振り役だった安倍晋三元首相を失い、保守派からは推進力が失われるとの懸念が強いが、首相は「思いを受け継ぐ」と述べている。

改憲を進めるにあたり、首相は世論喚起と国会の議論促進を「車の両輪」と位置付ける。このうち国会議論を担うのが新藤氏だ。衆院憲法審で野党との交渉役を担う。今年1~6月の通常国会では、緊急事態条項や9条などをテーマにほぼ毎週開催し、通常国会としては過去最多の16回を数えた。近年は開催が数回、ときにはゼロという通常国会が続いていたことを踏まえれば、前進したといえる。

一方、世論喚起を担う実現本部のトップは、昨年11月に就任した古屋氏が務める。今年2月、憲法集会を全国展開するための実務部隊を実現本部内に立ち上げ、開催費用の補助制度も設けた。開催は実質300カ所を超え、当初想定を上回るという。

首相は、集会を継続しながら秋の臨時国会で与野党の議論を深め、なお不十分な機運を盛り上げたい考えだ。7月の参院選後の記者会見では、改憲を公約して勝利したと強調し、「今回示された民意を受け、臨時国会では与野党で一層活発な議論が行われることを強く期待する」と述べた。

自民幹部は、来年の通常国会で「他党と意見集約を進め、改憲項目を絞っていきたい」と語る。その場合は、先の通常国会で立憲民主、共産両党をのぞく5会派が必要性を主張した「緊急事態時に国会議員の任期延長を可能とする改正」などが有力視される。(田中一世)

会員限定記事会員サービス詳細