第7波収束前に感染者の全数把握見直しへ 政府

首相官邸=東京都千代田区
首相官邸=東京都千代田区

政府は17日、新型コロナウイルス感染者の全数把握について、流行「第7波」の収束を待たずに見直す方針を固めた。今月下旬にも具体案をまとめる方向だ。政府はこれまで、第7波の収束後にコロナ対策全般を見直す意向だったが、医療従事者らの早期の負担軽減を求める声が強まり、方針転換した。

加藤勝信厚生労働相は17日、政府新型コロナ対策分科会の尾身茂会長らと面会。尾身氏は全数把握の段階的な中止を求める専門家有志の提言を説明した。加藤氏は「社会経済活動を維持する中で、限られた医療資源を重症化リスクのある方々に効果的に提供したい」などと語った。

新型コロナは、感染症法で「新型インフルエンザ等感染症」に位置付けられており、危険度が2番目に高い「2類」相当の措置に加えて、より厳しい対策も実施している。全数把握はこの一環で、診断した医師や保健所は、全ての患者の氏名や生年月日などを政府の情報共有システム「HER―SYS(ハーシス)」に入力する必要がある。

ただ、第7波では感染者が急増。入力作業などが医療現場の負担となり、重症化しやすい高齢者への対応にも影響が出ていた。

尾身氏らは2日、全数把握の見直しを求める提言を発表した。しかし、政府はこれまで「感染拡大下で扱いを変えれば現場が混乱する」(内閣官房幹部)として、第7波の収束後に見直す意向を崩さなかった。

方針の変更は、10日に就任した加藤氏が主導している。政府内では代替案として、特定の医療機関を選び、流行状況を把握する定点調査の仕組みに切り替える案が浮上している。

医療界では、季節性インフルエンザと同等の「5類」相当に見直すよう求める声も強い。ただ、いきなり5類相当に引き下げると、診療にかかる公費負担の見直しなど、早期に調整できない課題も出てくる。このため、政府は当面「2類」相当の位置づけを維持したまま、新型インフル特別措置法の運用を変える形で、全数把握を見直す方針だ。

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