尹大統領「力による現状変更望まず」 北朝鮮に秋波

17日、記者会見する韓国の尹錫悦大統領=ソウル(共同)
17日、記者会見する韓国の尹錫悦大統領=ソウル(共同)

【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は就任100日に合わせた記者会見で、北朝鮮について「無理な、力による現状変更は全く望んでいない」と述べた。尹氏は15日、北朝鮮が非核化交渉に臨めば、積極的に経済支援する「大胆な構想」を発表するなど、南北対話の再開に向けて連日秋波を送っている。これに対して北朝鮮は17日に巡航ミサイルを発射、対決姿勢を強めている。

尹氏は「一番重要なのは南北間の持続可能な平和の定着だ」と主張。北朝鮮が核開発を中断すれば、米朝関係の正常化に向けた外交的な支援や通常兵器の軍縮議論も行うと表明した。

就任前は尹氏が対北強硬姿勢を保つとの見方もあったが、関係改善に尽力する立場をアピールした。一方、南北の協議には「首脳や実務者の対話が政治的ショーになってはならない」と慎重な姿勢も示した。

北朝鮮から、体制の安全の保証を求められた際の対応を問われると、「韓国政府が(保証)できることではない」と答えた。北朝鮮は体制の保証に関わる米国との交渉にこだわってきたとされ、韓国独力での対北政策の限界を認めた形だ。

尹氏は最近の世論調査で支持率が20%台に低迷するなど、厳しい評価にさらされている。この点に関し、「民心を謙虚に受け止めることが重要だ」と語った。「まず私からもっと粉骨砕身していく」とも述べ、国民生活や経済の課題に最優先で取り組むと強調した。

尹氏にとって今回が初の公式記者会見だが、記者団のぶら下がり取材には毎朝のように応じてきた。即興の受け答えによる失言が支持率低下の一因だとの指摘もある中、尹氏は「大統領は国民からの批判や多様な指摘を受けるべきだ」と述べ、ぶら下がり取材を受け続ける意向を示した。

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