台湾セレクトショップ、日本で活発展開 日台の絆を強化

色とりどりの台湾の食材や雑貨を集めた神農生活=7月、大阪市内(黒川信雄撮影)
色とりどりの台湾の食材や雑貨を集めた神農生活=7月、大阪市内(黒川信雄撮影)

台湾の人気セレクトショップが日本でのビジネス展開を活発化している。昨春、「あべのハルカス近鉄本店」(大阪市)に日本1号店をオープンした「神農(しんのう)生活」は今夏、東京、埼玉、高知などで期間限定店を相次ぎ開設。東京・日本橋で運営する「誠品(せいひん)生活日本橋」も今月、台湾で表彰されたブランド製品を集めた特設店を設置する。中国の軍事演習などで台湾をめぐる情勢が緊張する中、運営を担う日本側の企業は「日台の絆を強めることにつながれば」と期待を寄せる。

セレクトショップとは、独自の視点で選んだ複数のブランドを取り扱う小売店のこと。

神農生活は台湾各地の高品質の食品やお茶、雑貨などを集めた台湾の人気セレクトショップで、台北に2店舗がある。日本での運営はフランチャイズ契約を結んだ近鉄百貨店(大阪市)が手がけている。

昨年4月、あべのハルカス近鉄本店へ日本1号店となる常設店をオープン。今年6月から9月にかけ、一気に首都圏(東京、埼玉)の3カ所、四国(高知、香川)の2カ所で特設店を展開する。特設店は大型商業施設などに置かれる。

神農生活にはコロナ禍でも根強いファンが多かったといい、近鉄百貨店は今後の中核事業のひとつに育てたい考え。「常設店の(さらなる)開設も検討したい」(近鉄百貨店の森口正浩事業開発部長)とする。

書籍、雑貨などを手がけるセレクトショップ「誠品生活」の日本1号店「誠品生活日本橋」は大型複合商業施設「コレド室町テラス」にあり、令和元年9月、書店国内大手の有隣堂(横浜市)が運営を始めた。

今月18日から10月17日までは同店内で、台湾当局に表彰された、パソコンやスマートフォン、アウトドア関連などのブランド製品を販売する「台湾エクセレンス ポップアップストア」を開設する。

このほか、伊勢丹新宿店(東京・新宿)では今月17日から30日まで、日本人実業家が1932年に台湾で設立した「林(はやし)百貨店」の特設店を設置。バッグ、財布などの雑貨類を販売する。

日本は人口規模が台湾の約5倍ある上、日本人の台湾への親近感が強いため、台湾側からみると日本市場は魅力的だという。

一方、日本側からみると、「台湾製品は技術力が高く、品質も良い」(有隣堂の担当者)。台湾旅行で店のファンになった日本人も少なくなく、台湾が親日的な点も製品の魅力を高めていると指摘される。

台湾をめぐっては、周辺海域での中国の軍事演習などで緊張が高まるが、近鉄の森口氏は神農生活の事業拡大を通じ、「日台のつながりを強化できれば」と期待を寄せている。(黒川信雄)

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