77回目の終戦の日を迎えた15日、千葉県とゆかりがある戦没者を追悼する県忠霊塔(千葉市中央区)での拝礼が県主催で行われた。新型コロナウイルスの影響で今年も参列者が限定され、14日に新型コロナへの感染が判明した熊谷俊人知事の代理となる穴沢幸男副知事をはじめ、神谷俊一千葉市長や遺族ら約30人が出席。戦没者の霊を慰め、平和への祈りを新たにした。
拝礼では、穴沢副知事が忠霊塔に一礼した後、正午に参列者全員で黙禱(もくとう)。続いて穴沢副知事や佐野彰県議会議長、神谷市長や県遺族会の椿唯司(ただし)会長(85)=松戸市=をはじめとした遺族らが献花し、先の大戦に思いをはせた。
このほか忠霊塔の下には県民ら数十人が集まり、黙禱をささげたほか、拝礼や献花の様子を見守った。
拝礼後、記者団の取材に応じた椿会長は、ロシアによるウクライナ侵攻を念頭に「いま行われている戦争がどういうものか、身に染みて分かるのはわれわれではないか。絶対にあってはいけないことを今やっている」と強調。中国による台湾侵攻も危惧されるなか、若い人たちに向け、「台湾が危機にさらされている状況だ。絶対に(戦争を)しないように中国にも言っていただきたい」と言葉に力を込めた。
県忠霊塔は、先の大戦などで戦没した軍人や軍属、民間人ら5万7248柱を追悼。昭和29年に完成し、翌30年以降は毎年8月15日に拝礼が行われている。