米議会、バイデン政権と温度差 台湾への関与維持鮮明

台湾総統府であいさつを交わす蔡英文総統(右端)と超党派の米議員団=15日、台北(総統府提供・共同)
台湾総統府であいさつを交わす蔡英文総統(右端)と超党派の米議員団=15日、台北(総統府提供・共同)

【ワシントン=坂本一之】ペロシ米下院議長に続きマーキー上院議員(民主党)率いる超党派議員団が訪台したことで、米議会は中国の威圧に屈せず台湾への関与を維持する姿勢を鮮明にした。ただ、中国の習近平国家主席との対話を維持したいバイデン米政権は過度に中国を刺激することに慎重で、議会との温度差が浮き彫りになっている。

米議員団は訪台で、地域の安全保障問題やサプライチェーン(供給網)の安定といった課題で台湾との連携を深める狙いがあった。

ペロシ氏は自身の訪台後、中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を実施したことを踏まえ「中国が台湾を孤立させようとするのを許すことはできない」と発言。中国の圧力を受けても米国は台湾への関与を弱めないという姿勢を強調した。米上院では、野党の共和党トップのマコネル院内総務ら同党26人が2日、ペロシ氏の訪台を支持する声明を連名で発表した。

6月には上院の有力議員である民主党のメネンデス上院外交委員長と共和党のグラム上院議員が米政府の台湾支援を強化する「台湾政策法案」を提出。法案には今後4年間で45億ドル(約6千億円)の軍事資金支援や、台湾を北大西洋条約機構(NATO)非加盟の主要な同盟地域に指定することなどが盛り込まれた。台湾への敵対的行為には厳しい制裁を科すとして中国の軍事行動を牽制(けんせい)している。

一方、同法案を巡り、米政府内では中国との緊張が高まることや台湾防衛への関与が強まることなどへの懸念が出ているという。バイデン政権は議会による台湾支援の強化に慎重な姿勢で、対中関係の過度な悪化を避けたいとの思いがにじむ。バイデン大統領は7月の習氏との電話会談で、就任後初となる対面会談の調整で合意するなど対話を重視している。

中国が11月に東南アジアで開かれる国際会議に合わせた米中首脳会談の実施を検討していると報じられる中、台湾を巡る米政権と議会との溝は今後も続きそうだ。

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