病み上がり日本に次の危機迫る 景気回復に3つの障害 コロナ、物価高、米利上げ

山際大志郎経済再生担当相(矢島康弘撮影)
山際大志郎経済再生担当相(矢島康弘撮影)

15日発表された4~6月期の国内総生産(GDP)は3四半期連続のプラス成長で、新型コロナウイルス禍に伴う行動制限の緩和による景気回復が確認できた。だが、この基調が継続するには新型コロナの感染再拡大、物価高、米国の金利引き上げという3つの障害がある。海外で景気後退懸念が強まる中、コロナ前水準への回復が遅れた日本経済には〝病み上がり〟のまま次の荒波に飲み込まれる懸念が強まっている。

「景気が穏やかに持ち直していることが示された結果となった」。山際大志郎経済再生担当相は15日、GDP発表を受けてこうコメントを発表し、経済社会活動の正常化で景気回復が続くことに期待感を示した。

ウクライナ危機に伴う原材料高や円安で国内の物価上昇率(生鮮食品を除く)は前年比2%台の高水準が続くものの、自粛生活の反動がもたらした「リベンジ消費」が下支えし、個人消費は堅調に回復している。

ただ、7月以降は景気の雲行きが怪しくなってきた。コロナの流行「第7波」が拡大し新規感染者数は各地で最多を更新。弱毒化が進み行動制限は発令されていないが、人流低下で消費に悪影響が出そうだ。

原材料費や物流コストの上昇は企業を圧迫し、食料品などで今年前半に値上げした商品の再値上げが相次ぐ。既に国際的な原油や穀物価格は下落に転じたが、物価高は年内続きそうだ。

米国は記録的なインフレを抑えるため、米連邦準備制度理事会(FRB)が景気を冷やす利上げを加速。4~6月期の実質GDPは2四半期連続のマイナス成長だった。コロナ対応のロックダウン(都市封鎖)で中国の景気減速も深刻だ。

「米国がくしゃみをすれば、日本は風邪をひく」といわれるほど日米経済は密接に結びついている。米国が景気後退に陥れば、日本は輸出の停滞などでより大きな影響を被りかねない。

GDPがコロナ前の水準に回復したのは米国が昨年4~6月期、ユーロ圏も同10~12月期だが、日本は今年4~6月期と出遅れた。次の危機に向けた国富の積み上げができぬまま、世界的な不況の影が忍び寄る。

(田辺裕晶)

GDP実質年2・2%増 3期連続プラス成長 4~6月期、行動制限解除で消費回復 コロナ前水準を回復

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