尹大統領が日本に「共に脅威に立ち向かう隣人」と呼びかけ 初の光復節演説

「光復節」の式典に出席した韓国の尹錫悦大統領(中央)ら=15日、ソウル(聯合=共同)
「光復節」の式典に出席した韓国の尹錫悦大統領(中央)ら=15日、ソウル(聯合=共同)

【ソウル=桜井紀雄】韓国で15日、日本の朝鮮半島統治からの解放を記念する「光復節」を迎え、政府式典が開かれた。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は演説で「日本は今や、世界市民の自由を脅かす挑戦に立ち向かい、共に力を合わせて進むべき隣人だ」と述べ、日韓関係を早期に修復し、発展させると強調した。5月に就任した尹氏の光復節演説は初めて。

いわゆる徴用工訴訟など日韓間の懸案を念頭に、日韓関係が「普遍的価値を基盤に両国の未来や時代的使命に向かって進むとき、歴史問題もきちんと解決できる」と訴えた。1998年の当時の金大中(キムデジュン)大統領と小渕恵三首相による日韓共同宣言を評価し、継承する立場も改めて表明した。

尹氏は、文在寅(ムンジェイン)前政権が「反日」を国内政治に利用し、「対日外交を壊した」との認識を示してきたが、自由や人権を守るために連帯すべき対象という新たな対日観を提示した形だ。

日韓の政府や国民が「互いを尊重し、経済や安全保障、社会、文化にわたる幅広い協力を通じて国際社会の平和と繁栄にともに寄与すべきだ」とも強調した。

ただ、具体的な関係改善策は明示せず、徴用工訴訟の原告らが尹政権への不信感を募らせる中、懸案解決にはほど遠いのが現状だ。

北朝鮮の非核化は「世界の持続可能な平和に欠かせない」とも指摘。北朝鮮が核開発を中断し、「実質的な非核化」に転じるなら「段階に応じ北朝鮮の経済や住民生活を画期的に改善できる大胆な構想」を提案するとし、食糧や発電、農業、医療、金融など多方面での支援策に言及した。

演説後、大統領府は、初期の交渉過程から経済支援を積極的に講じるとし、政治、軍事部門の協力行程表も準備済みとしたが、対韓強硬姿勢を保つ北朝鮮が応じる可能性は低いとみられる。

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