継承か刷新か 次リーダー目指す3候補者「維新の聖地」で火花

「日本維新の会」結党以来初の代表戦に立候補した(右から)梅村みずほ氏、足立康史氏、馬場伸幸氏=14日午後、大阪市中央区(柿平博文撮影)
「日本維新の会」結党以来初の代表戦に立候補した(右から)梅村みずほ氏、足立康史氏、馬場伸幸氏=14日午後、大阪市中央区(柿平博文撮影)

14日告示された日本維新の会の初の代表選(27日投開票)には、足立康史衆院議員(56)と馬場伸幸共同代表(57)、梅村みずほ参院議員(43)が立候補を届け出た。創設者の一人で、屋台骨として党を支えてきた松井一郎代表の退任後、組織をどう運営するのかが問われる党内選挙は、今後の党の趨勢(すうせい)にも関わる。創業の地で、3氏は何を訴えたのか。

14日午後、大阪市中央区の南海難波駅前のロータリー。3氏は届け出順に街宣カーに現れ、15分の持ち時間で熱弁を振るった。

この場所は、維新が大型選挙の節目で使う「聖地」。代表選に対する世間の関心を高めようと設定された。

「橋下(徹)さん、松井さんが引退しても、皆さんの思いを背負って前に進んでいける政党にしないといけない」。足立氏は「ワン維新」を掲げ、党内統治の転換を主張した。

今月1日の出馬会見では、前代表の橋下氏と松井氏が党を牽引(けんいん)してきた体制を「トップダウン型・カリスマ的支配」と表現し、この日も今後の党運営のあり方に関し「集団指導体制」の必要性を訴えた。

「地方重視」「党員民主主義」を打ち出す足立氏は、国会議員に限らず地方議員や首長からも共同代表を選ぶと主張。公約など重要事項の決定は3者の全会一致とし、不一致の場合は党員投票で決めるとしている。

維新の代表選は他党と仕組みが異なり、国会議員ら特別党員586人と、一般党員約2万人は同じ「1人1票」という扱いだ。だが代表選を巡っては告示前から水面下で多数派工作が進み、特別党員の過半数の306人から推薦を得た馬場氏が優勢とされている。足立氏は「主役は一般党員」とし、投票を呼びかけた。

松井氏の支援を受け、事実上の後継候補として新代表の座を狙う馬場氏は、直近2回の国政選挙でも党勢拡大を果たしたとし、「やってきたことは絶対に間違っていない。さらに改革を広げて国民に喜んでもらえる政治をさせてほしい」と語った。

「10年ビジョン」と題した代表選公約では、維新が掲げる議員定数や報酬削減などの「身を切る改革」の継続や、若手の登用を打ち出した。全国政党化へ向け、大阪府外での地方組織の強化も掲げたが、軸は松井路線の「継承」にほかならない。

松井氏は「組織をまとめる力」が「もっとも重要な投票の判断材料」とする。幹事長も務めた馬場氏は今月10日に大阪市内で行われた事務所開きの際、記者団に「党運営のノウハウを一番持っているのは私だ」と自信をのぞかせていた。

一方、梅村氏は「維新を維新する」と主張し、当選1期ながら果敢に挑む。この日、「党は若年層、女性層からの支持がまだまだ低い。今こそイメージチェンジが必要だ」と述べ、唯一の女性候補による「刷新」をアピールした。出馬にあたっては、国会議員の多選禁止など、独自策を打ち出している。

3氏の演説を聞いていた大阪市西成区の男性(56)は、投票権を持つ一般党員。「大阪だけでなく、全国的に関心を持ってもらえるかどうか。代表選を盛り上げ、全国政党化の足掛かりにしてほしい」と話した。(北野裕子)


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