「メタバースの標準規格」は何を目指すのか 米国で始動した取り組みが描く世界

“メタバース”の未来のために

実現しないかもしれない仮想世界のための標準規格を開発するというアイデアを、うまく飲み込めなくても心配いらない。それはあなただけではないだろう。

Khronos Groupは今回立ち上げた団体を「Metaverse Standards Forum」と呼んでいるが、メタバースの定義についてはあまり気にかけていないという。メタバースという言葉がこの先も使われる可能性についても重視していないのだ。また、メタバースを構築する支援はするが、将来的にその運営にかかわることはないともKhronos Groupは説明している。

「“メタバース“という言葉は、別の言葉に置き代わるかもしれません。そこはあまり重要ではないのです。かつての“情報スーパーハイウェイ”のようなものではないでしょうか。この言葉はいまではほぼ使われなくなりました」と、トラベットは語る。確かに「サイバースペース」という言葉は使われなくなったが、それでも人々はその言葉が意味する「インターネット」をいまでも使っている。

ファンタジーな仮想世界の話は、どれだけ非現実的であっても、どれだけそれが望ましくないものであったとしても、企業の占有ではない相互運用可能な互換性のあるデータ形式の重要性を座学で説明するより、わくわくするものだ。そしてその間にも、仮想空間での映画制作から写真測量、拡張現実までさまざまな興味深い技術が登場し、人々のインターネットの使い方を変えている。

こうした技術が『レディ・プレイヤー1』に出てくるようなメタバースの構築につながるのだろうか。あるいは、ひとつのファンタジーな世界にまとまることなく、それぞれの業界がそれぞれで本当に面白いものを構築するようになるのだろうか。予想は難しい。

むしろ、難しく考えすぎているのかもしれない。いずれにしろ未来がどうなろうと、誰かがそれを構築しなければならない点は変わらないのだ。

(WIRED US/Translation by Nozomi Okuma)

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