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産経抄

8月14日

作家の大岡昇平はフィリピンの戦線で隊からはぐれた。マラリアを病む中、若い米兵と遭遇する。決して撃つまいと念じ草むらに身を潜めたが、近づく足音に思わず銃の安全装置を外す。その距離、5メートルもない。代表作『俘虜(ふりょ)記』の一場面である。

▼戦争とは集団をもってする暴力行為であり、集団の意識が個人の行動を制約し、鼓舞もする―と大岡は書いた。やがて米兵は視界から消え、誰の血も流れずに済んだ。なぜ撃たなかったか。「私がこの時独りであったからである」。戦争の本質を突いた省察だろう。

▼自制をなくした集団は、驚くほど非道な犯罪行為に手を染める。人間の醜悪な面をこの半年、ロシア兵を通して嫌というほど目にした。死に寄り添われたウクライナの人々を思い、新型コロナ禍の日々を「戦時」にたとえた思慮の浅さに悔いをかんだ月日でもある。

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