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これが「晩酌の流儀」

仕事を終えた後、電車に揺られ、最寄駅から汗だくになりながら自転車を漕いで、1時間ほどで帰宅する。朝のうちに作り置きした夕食のおかずを温め直し、ビールやワインなどと一緒にいただく。4人家族のうち飲酒をする者は他にはおらず、食卓を囲みながらの一人晩酌なのだが、至福の時間だ。

毎回、共感を持って見ているのが、毎週金曜深夜放送のドラマ「晩酌の流儀」(テレビ東京系)だ。栗山千明さん演じる一人暮らしの会社員女性が帰宅後、一日の最後に飲むお酒をいかにおいしく味わうかを追求していくグルメドラマで、これがなかなか、参考になるのだ。

主人公の女性は、ひと手間かけることを惜しまない。例えばスーパーで購入した塩味の焼き鳥パック。そのまま電子レンジで温めることはせず、わざわざ串を外してフライパンで焼き直し、テキサススパイスなる香辛料を振り掛ける。「ぶっ飛んだおいしさ」との感想を漏らしながら食べる姿を眺めていると、この香辛料に俄然(がぜん)興味が湧いてきて、試してみたくなる。

彼女は、出勤前の朝、ビールグラスを2本、冷凍庫にしのばせるのを忘れない。1杯目はもちろん、2杯目もキンキンに冷えたグラスで味わいたい気持ち、とてもよく分かる。洗い物が増えても、最高の晩酌をするために妥協はできない。それが「晩酌の流儀」なのだ、と言い切るせりふもいい。

あれ?と思ったのが、主人公がよく飲んでいるのが、ビールではなく「第3のビール」だということ。冷えたグラスになみなみと注がれると、この上ない美酒に見えてくる。

昨今、原材料価格の高騰などで、食料品や日用品などさまざまな分野で値上げが続いており、秋には酒類も値上げされるようだ。家計にうれしい発泡酒や第3のビールの需要は、増えていくだろう。

朝、セミの暑苦しい鳴き声に後押しされるように、主人公をまねて冷凍庫に2本のグラスをセットして家を出る。晩酌を糧に今日も仕事が乗り切れそうだ。(由)

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