中間選挙前にバイデン氏の目玉政策成立へ 57兆円規模のインフレ抑制法案

バイデン米大統領(ロイター)
バイデン米大統領(ロイター)

【ワシントン=坂本一之】米下院は12日、気候変動対策や家庭負担を軽減する薬価引き下げ、財政赤字削減などを盛り込んだ歳出規模4300億ドル(約57兆4000億円)超の「インフレ抑制法案」を賛成多数で可決した。上院は7日に可決しており、近くバイデン大統領が署名して成立する。予算規模は当初案から縮小したがバイデン政権の目玉政策で、11月の中間選挙に向け与党の民主党やバイデン氏にとって追い風になる。

夏季休暇中のバイデン氏は12日、法案の議会通過を受けて自身のツイッターに「今日、米国の人々は勝利した」などと書き込み、政策推進をアピールした。

「来週、法案に署名することを楽しみにしている」とも記し、処方薬や医療費が安くなることを実感できると有権者に訴えた。

法案は再生可能エネルギーへの投資や薬価引き下げ、財政改善に向けた巨大企業への最低税率導入などが柱だ。

ただ、バイデン政権が2021年の発足後に成長戦略の目玉政策として打ち出した3兆5000億ドルの大型歳出法案の縮小版でもある。当初の法案は民主党内から財政悪化への懸念が出て規模を半分に圧縮したが、共和党と議席が拮抗(きっこう)する上院で民主党のマンチン議員らが反対し同年末に頓挫していた。

今回、中間選挙を前に歳出規模をさらに縮小。歳出の大半を気候変動対策が占めるものの、名称を「インフレ抑制法案」とし、歴史的な物価高に見舞われる有権者への対応を重視する姿勢を強調した。

民主党のペロシ下院議長は12日、法案に関しバイデン氏と民主党にとって「大きな一歩だ」と述べ、民主党議員に選挙区で法案の効果などを説明するよう呼びかけた。

一方、共和党は法案に物価抑制の大きな効果はなく、新税が経済に悪影響を与えると批判している。11月8日に中間選挙が迫る中、政策をめぐる両党の舌戦は激しくなりそうだ。

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