戦艦「大和」主砲指揮所に地獄を見た(12)水中の奇跡2022/8/13 16:00有料プラン記事月刊「丸」あの戦争から今へ反応後ろから見た大和型の艦橋。主砲の到達距離は42キロメートルにおよび、水平線上にわずかに姿を現した敵艦を砲撃するため、海面上約40メートルの高所に15メートルの測距儀を置いた。(昭和53年8月号収載。筆者は戦艦「大和」前部射撃指揮所員)「大和」の甲板上に設置された無数の機銃は、さきほどまでのあのけたたましく威力をしめしたのも忘れたかのように、その大半が赤く茶色に焼きついて、しかもぐんにゃりと曲がってしまっていた。撃ちつづけたために熱で曲がってしまったのか、爆弾で曲がってしまったのか。いずれにしても、そこには射手はおらず、まだ硝煙が立ちのぼっているさまは、あまりにもわびしくあわれであった。