低調ムードの維新代表選 一般党員の関心喚起できるか

14日告示される日本維新の会の代表選をめぐってはすでに水面下で多数派工作が進み、候補者の一人と目された東徹参院議員(55)が出馬を断念した。国会議員らの特別党員票では松井一郎代表の支援を受ける馬場伸幸共同代表(57)が優位とされる。論戦の低調ムードを払拭するには、約2万人いる一般党員の関心をどこまで喚起できるかが焦点となりそうだ。

「このままでは党内の亀裂が先鋭化する」

東氏は5日、国会内で記者団にこう述べ、出馬断念を表明した。3日に「大阪で実現した行財政改革を全国に広げたい」と立候補への意欲を示した直後の方針転換だった。

大阪府議を3期務めた東氏は府議らを中心に支持を集め、馬場氏の対抗馬とみる向きもあった。ただ松井氏や国会議員らの多くが馬場氏を推し、「国会議員と地方議員の分断を避けたかった」と東氏。代表選での活発な論戦を通じ、全国政党としての知名度向上を期待する向きもあっただけに、党内融和を優先して有力候補が出馬を断念する展開に、党内からは「後味が悪い」と不満の声が漏れる。

代表選の論点が見えにくいことも、盛り上がりを欠く要因の一つだ。7月30日の臨時党大会で、松井氏は今夏の参院選公約で党としての政策を示しているとして「代表選は政策を競い合うものではない」と発言。立候補を表明している足立康史衆院議員(56)や梅村みずほ参院議員(43)は「政策論議も必要」と反発しているが、具体的な争点は明確になっていない。

こうした中で注目されるのが、議員や首長ではない一般党員の動向だ。

候補者が党員名簿を閲覧するには、入党させた議員や首長ら特別党員の許可が必要になり、特別党員の意向が大きく影響する。ただ、東氏の出馬断念などの経緯から特定の候補者への投票を呼びかけない特別党員も一定数いるとみられ、各候補者は交流サイト(SNS)での発信などを通じて一般党員票の取り込みにかかる。

ある地方議員は「代表選を盛り上げるには、ふたを開けるまでは分からないというガチンコ勝負を演出するしかない」と話した。(尾崎豪一、北野裕子)

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