主要企業アンケート

ウクライナ侵攻「影響ある」過半

新型コロナウイルス禍にウクライナ危機が重なり、エネルギー価格などの上昇や物流の停滞で世界経済は歴史的な物価高騰に直面している。インフレ抑制へ欧米などの中央銀行が政策金利の大幅な引き上げにかじを切り、マネーの流れも大きく変化する中、産経新聞は主要企業118社へのアンケート(7月上旬から下旬にかけて実施)で、経営の実情や課題を探った。

<ウクライナ侵攻>

ロシアのウクライナ侵攻は長期化しており、国内外の企業の事業活動に広範な影響をもたらしている。自社の業績への影響について尋ねたところ、「多少は影響がある」が回答全体の44・1%を占め、「大いに影響がある」(10・2%)と合わせると過半に達した。

企業からは「資源・エネルギー価格の上昇が、資機材の価格上昇の一因になっている」(建設)、「原材料の仕入れ価格の高騰が顕著」(外食)といった声が聞かれた。「取引先企業へのマイナスのインパクトによる(自社への)間接的影響が想定される」(金融)との懸念もあった。

一方、ロシア関連の事業で停止や撤退を決めたものはあるかと聞いたところ、「ある」が42・4%、「ない」が39・8%と、両者が拮抗(きっこう)する形となった。

「ある」と回答した企業の具体的な対応では、「ロシアでの損害保険の引き受けを当面停止」(金融)、「ロシア向け貨物の受託を原則停止」(物流)、「原則としてロシア向けの新規取引は行わず、既存ビジネスも縮小方向で見直す方針」(化学)といったコメントがあった。

「プラスの効果」38%、「マイナス」上回る

<円安進行>

米国がインフレ抑制へ急速な金利引き上げを行ったことで日米の金利差が広がり、円安ドル高が進んできた。 原材料の輸入価格上昇を招く「円安の進行」を企業は警戒しているが、1ドル=135円前後の為替水準が経営に与える影響については、「ややプラス影響」が28%、「プラス影響のほうが大きい」が10・2%で合計でプラス評価が4割近くを占め、マイナスとする回答を上回った。「輸出などを通じて業績が上向いている」(機械)、「外貨建て資産から生じる利息、配当金収入が増加」(金融)との評価があった。

一方、「マイナス影響のほうが大きい」は13・6%、「ややマイナス影響」は11・9%だった。訪日外国人客(インバウンド)の消費増につながるプラス効果が入国制限で失われており、「インバウンドが戻っていない以上、費用だけが増加する」(運輸)と円安とコロナ禍の二重苦を指摘する声もあった。

また、円安に関して消費者物価の年末までの見通しについて聞いたところ、全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率は最多の44・9%が「2%台前半で横ばい」と回答した。

ただ、「これまでの商品市況高の影響が川下分野へさらに波及していく」(商社)、「食料品に加え、日用品、衣料品などで価格転嫁の動きが広がる」(金融)などとして「2%台後半に上昇」するとの回答も30・5%に達し、「3%台に上昇」との予想も1・7%あった。22・9%は無回答だった。

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