樋口季一郎陸軍中将の銅像、淡路島の伊弉諾神宮に建立へ

樋口季一郎中将(孫の樋口隆一氏提供)
樋口季一郎中将(孫の樋口隆一氏提供)

先の大戦の終戦時、旧日本陸軍の第五方面軍司令官として、ソ連の北海道侵攻を阻止したことで知られる樋口季一郎中将(1888~1970年)の功績を後世に伝える銅像が、出身地の淡路島にある伊弉諾(いざなぎ)神宮(兵庫県淡路市)に建立される。孫で明治学院大名誉教授の隆一氏(76)が会長を務める顕彰会が建て、樋口中将の命日にあたる10月11日に式典を行う。

樋口中将は淡路島内にある現在の同県南あわじ市出身。旧満州国のハルビン特務機関長時代に、ソ連やナチスドイツに迫害されて逃れてきた約2万人のユダヤ難民を救ったとされる。「命のビザ」で知られる駐リトアニア領事代理だった外交官、杉原千畝氏と同様にその人道主義が国際的に評価されている。

終戦時には北海道や当時日本領だった南樺太、千島列島の防衛担当の司令官。終戦の玉音放送が流れた昭和20年8月15日以降も侵攻するソ連軍に自衛戦で挑み、スターリンに北海道占領を断念させた。隆一氏は「北海道の分割、ひいては日本の分割占領を免れた」と指摘している。

樋口季一郎中将の銅像が建立される予定の淡路祖霊社。本名宮司は「郷土の賢人を顕彰したい」と語る=兵庫県淡路市の伊弉諾神宮
樋口季一郎中将の銅像が建立される予定の淡路祖霊社。本名宮司は「郷土の賢人を顕彰したい」と語る=兵庫県淡路市の伊弉諾神宮

伊弉諾神宮の本名孝至宮司や隆一氏によると、建立される銅像は等身大。軍服姿で軍刀を手にしているという。全国から顕彰会に寄せられた浄財を活用する。出身地の南あわじ市内で建立する計画だったが、淡路島出身の偉人や戦死者らをまつる淡路祖霊社があり参拝者も多い同神宮に決まったという。

本名宮司は「いまでは樋口中将を知らない人が多く、功績を後世に伝えたい」と話す。北方領土の不法占拠を続けるロシアはウクライナ侵攻を続けており、隆一氏は「国土防衛の意識を高めるためにも、祖父のことを多くの日本人に知ってもらいたい」と訴えている。(勝田康三)

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