ミャクミャク「様」 予想以上の反響 大阪万博、機運醸成に

2025年大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」。左は岸田首相=7月、東京都墨田区
2025年大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」。左は岸田首相=7月、東京都墨田区

2025年大阪・関西万博の公式キャラクターの愛称に決まった「ミャクミャク」が話題を呼んでいる。インターネット上では、なぜか「ミャクミャク様」と「様」を付けて呼ぶ動きが拡大。公募せずに主催者が命名するプランもあったが、思いもよらぬ反響の大きさに万博関係者は驚きつつ、本番への機運醸成につなげようと意気込んでいる。

「話題にしてもらい大変ありがたい。世界中に愛されるキャラになるよう大切に育てる」。万博は認知度不足や全国的な盛り上がりに欠けていることが指摘されるため、運営する日本国際博覧会協会の担当者は明るいニュースに声を弾ませた。

キャラは、細胞をイメージした赤い楕円(だえん)が連なる奇抜な万博ロゴマークを使い、「水の都」大阪にちなんで水を組み合わせたデザインとなっている。協会によると、愛称募集には関西を中心に子供から100歳を超える人まで3万3197作品が寄せられ、万博千日前の7月18日に愛称が発表された。

「ミャクミャク」には2人から応募があった。それぞれ「『脈々』と受け継がれてきた私たち人間のDNA、知恵と技術、歴史や文化」「赤色と青色が動脈と静脈を連想」などのコンセプトがあるという。

発表後、「ミャクミャク」という不思議な語感もあり、ネットを中心に話題となった。「脈打つ様子を連想して気持ち悪い」などと否定的な意見もあったが、「かわいらしい」といった好意的な見方が多く、キャラの特徴的な外見を踏まえて「バカにするとたたりがありそう」として「ミャクミャク様」と呼ぶ人が増えていった。

当初は主催者側が愛称を決めることも考えたが、「費用はかかるが、公募にした方が万博の盛り上がりにつながる」として公募を実施。最優秀作品候補を8つに絞り、商標調査後に残った3つから、発表当日に最終選考委員会を実施して決定した。情報漏洩(ろうえい)も警戒し、「事前に決めて金庫に保管しても漏れる」(協会幹部)として、ぎりぎりの決定にこだわった。

注目を集めた愛称を専門家はどうみるか。近畿大の川村洋次教授(広告論)は「キャラの見た目もあり、人格化して物語性をもたせようと『様』を付ける人がいたのかもしれない」と推測。「音感的に音が繰り返されるのは記憶に残りやすいし、予定調和を外したインパクトもあるので案外、長く親しまれるキャラになるかもしれない」と期待する。

一方で、「キャラの見た目も愛称もユニークだが、万博の中身であるパビリオンの構想は、どれも万人受けしそうな常識的な企画にまとまっている印象がある。来場者に『キャラはおもしろいが普通の万博だ』といわれないよう、テーマの『命』を感じさせる痛みや辛さ、臭さといった多様な側面を表現してもらいたい」と注文した。(井上浩平)

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