「セカンド冷凍庫」人気拡大 スリム型、温度切り替え…差別化進む

スリム化を追求した山善の冷凍庫(同社提供)
スリム化を追求した山善の冷凍庫(同社提供)

新型コロナウイルス禍による生活様式の変化を受け、大型冷蔵庫に加えて2台目の「セカンド冷凍庫」を購入する家庭が増えている。共働きの増加や食品のインターネット通販の拡大なども2台目需要を後押ししており、置き場所を選ばないスリム型や常温から冷凍まで温度切り替えができる冷凍庫など、ニーズに合わせた多様な商品が登場している。

コロナ禍で巣ごもり消費が増え、冷凍食品の利用も定着し、冷凍庫の出番が増えている。中国家電大手、ハイアールの日本法人「ハイアールジャパンセールス」が今年7月に子育て世帯を対象に実施した調査では、約9割が「今以上の冷凍スペースが必要」と回答。また、冷凍庫がいっぱいだと感じている人の割合は76・8%で、コロナ禍前の調査より8・7ポイント増加しているという。

この需要の波に乗ったのが、令和元年度に冷凍庫市場に新規参入したばかりのアイリスオーヤマ(仙台市)だ。3年度には出荷台数が元年度比で約10倍に伸長した。同社の担当者も「参入と市況・生活環境の変化のタイミングが一致したことが急成長の一因」と分析する。横幅35・6センチのスリム型が売れ筋という。

三菱電機も急速冷凍機能を備え、運転音の静かな商品が人気で、コロナ禍前に比べると2桁成長。一方、日立製作所は保存したい食品に合わせて温度を切り替えられ、冷蔵庫や常温庫としても使える2機種を3年に発売。上位機種は庫内の棚に重量センサーが搭載されており、スマートフォンアプリを使って食品のストックを確認できる。家電製造の山善も今年7月に業界最小幅だという横幅33・5センチの冷凍庫を発表、各社がしのぎを削る。

りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「セカンド冷凍庫が広がる中で、メーカーごとの製品の差別化が進んでいる」と指摘。今後の冷凍庫市場について「コロナ禍が落ち着いても、ある程度需要は維持されるだろう」と話した。(桑島浩任)

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