トランプ前米大統領、一族企業の不正疑惑で証言拒否

宣誓証言に向かうトランプ前大統領=10日、米ニューヨーク(AP=共同)
宣誓証言に向かうトランプ前大統領=10日、米ニューヨーク(AP=共同)

【ニューヨーク=平田雄介】トランプ前米大統領は10日、一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション社が所有する不動産の資産価値を偽ったとする疑惑を民事案件として調査しているニューヨーク州司法長官の事務所に出向いた。司法当局からの質問に対し、トランプ氏は黙秘したとされ、米メディアは今後裁判に発展した場合にトランプ氏に不利に働く可能性があると指摘している。

ト社をめぐっては、有利な条件で融資を受けるために所有する不動産価値をつり上げたり、減税を受けるために資産価値を過少に評価して申告したりした疑いが持たれており、ニューヨーク州司法当局が民事・刑事の両面から調べている。

米連邦捜査局(FBI)が8日に実施したトランプ氏のフロリダ州の邸宅マールアラーゴの家宅捜索とは別件。今回の事案はニューヨーク州のジェームズ司法長官が2019年に調査を始め、トランプ氏とその家族に召喚と法廷での証言を求めてきた。

トランプ氏は10日午前9時ごろ、ニューヨーク市マンハッタン南部の司法長官事務所に到着し、群衆からの呼びかけに対して親指を立てたり、拳を突き上げたりするポーズをみせた。

トランプ氏は事務所に入った後、自らのソーシャルメディアで「質問に答えることを拒否する」という声明を発表した。声明では自らに不利な証言を強制されない権利を認めた合衆国憲法修正第5条に基づき、黙秘するとの意向を示した。

トランプ氏は午後3時半ごろまで事務所に滞在した。米紙ニューヨーク・タイムズはトランプ氏の弁護士の話として、トランプ氏は黙秘権を行使し、司法長官からの質問への回答を何度も拒否したと伝えた。

この疑惑をめぐっては、ニューヨーク州検察が21年7月、ト社のアレン・ワイセルバーグ最高財務責任者(CFO)と法人としての同社を起訴した。脱税などにトランプ氏が関わったと判明すれば本人の起訴に発展する可能性もある。

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