日中経済「維持・拡大」が5割超 企業アンケート

9月に国交正常化から50年の節目を迎える日本と中国の今後の経済関係について、企業の約2割が「拡大すべきだ」と考え、「現状維持」を含めると5割超が安定的な関係の継続を望んでいることが11日、産経新聞の主要企業アンケートで分かった。米中対立などの厳しい国際情勢の中、多くの企業が、経済安全保障の観点などから中国とのビジネスにはリスクや懸念があると認識している半面、近隣の巨大市場として無視できない存在だとみている。

アンケートは7月上旬から下旬にかけて実施し、118社から回答を得た。

日中の経済関係のあり方や望ましい距離感について尋ねたところ、最も多かった回答は「現状維持を目指すべきだ」の34・7%。経済関係を「一層拡大すべきだ」は6・8%で、「やや拡大すべきだ」は12・7%だった。

「やや距離を置くべきだ」は2・5%にとどまり、「もっと距離を置くべきだ」はゼロだった。

現状維持の回答が最も多かった背景には、「中国との経済的な接近は、リスクとベネフィット(利益)のどちらも大きい」(化学)というジレンマがある。

国内総生産(GDP)で中国は2010年に日本を逆転し、両国の差は拡大している。将来、中国はGDPで米国を抜き世界首位に躍り出るとの予測もある。

日本にとって「中国は最大の貿易相手国」(金融)でもあり、「経済大国である中国抜きで(対外的な)経済関係を構築するというのは現実的ではない」(設備)といった見方が多い。

一方で、「人権問題や台湾を巡るリスクの高まり」(エネルギー)や、「中国当局によるビジネスルール変更などのリスク」(商社)への心配は根強くある。「輸入などで既に過度な依存状態にある」(金融)と経済安保上のサプライチェーン(供給網)の課題を指摘する声も挙がり、多くの企業から、懸念を抱えながらも巨大市場との適度な距離感を模索する姿勢がうかがえた。

また、経済関係を「一層拡大すべきだ」「やや拡大すべきだ」と答えた企業も、「中国は世界経済に深く組み込まれている。権威主義的な体制などへの懸念には最大限目配りしながらも、日中の経済・政治での関係発展は必要だ」(金融)としており、今後の関係拡大においてもリスクへの最大限の警戒を前提としている。

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