ソウルからヨボセヨ

ミニニュースの裏側

産経新聞の社内に「新聞は『ミニニュース』こそ面白い」と話す先輩がいる。数行の横書きで紹介され、ニュース価値は比較的低いとされる記事ではあるのだが、記者の思い入れがあるものも実は多かったりする。9日付の本紙国際面で掲載された記事「韓国教育相が辞意」を紹介したい。

小学校入学時期の改革案を表明した教育相が世論の反発を受け引責辞任したという話で、7日夜に韓国紙、東亜日報が特ダネとして報じた。しかし、別の主要紙は翌日の朝刊で「大幅な人事刷新は行われない見通し」と正反対の観測記事を大々的に展開。ネットでは7日深夜の段階で追随記事を掲載したが、紙面までは修正できなかったようだ。「(大ニュースを報じ損ねる)『特オチ』よりひどい」。この新聞の関係者らはため息をついた。

彼らのいらだちは、ニュースソースの大統領府に向けられた。報道担当者は現在、この主要紙出身者が務めているが、周囲の評判はもう一つ。記事の方向性にも一定の影響を与えたとみられる中、同紙の後輩記者は「(報道担当が)あの人でなければ、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の支持率は今より30%は高い」と恨み節を漏らした。

ミニニュースの裏側で起こる騒動。人ごととしては面白いが、記者として働く以上、「明日はわが身」でもある。(時吉達也)

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