大谷の強みは「手を抜ける」メンタルにあり 有識者「二刀流〝神話〟再現してくれた」

104年ぶりの「2桁勝利、2桁本塁打」を達成したエンゼルス・大谷翔平=9日、オークランド(共同)
104年ぶりの「2桁勝利、2桁本塁打」を達成したエンゼルス・大谷翔平=9日、オークランド(共同)

二刀流のスーパースターがまたも金字塔を打ちたてた。米大リーグでベーブ・ルース以来104年ぶりの「2桁勝利、2桁本塁打」を達成したエンゼルスの大谷翔平(28)。人気は今や全米レベルで、現地でも二刀流を目指す子供が増えるなど、野球界へのインパクトは特大だ。大谷が次々と偉業を成し遂げられるのはなぜか、識者は投打の実力のみならず、そのメンタルの強(きょう)靱(じん)さを指摘する。

大谷のメンタルについて「和田秀樹こころと体のクリニック」(東京)の和田秀樹院長は「無理をしないマインドセットがうまい」と語る。

和田さんが注目するのが大谷の英語での対応だ。「日常会話などやり取りはできるはずなのに、会見では英語を話さない。英語で完全な対応をしようと自分を追いこまない」と分析し、いい意味で「手を抜ける」ことが気持ちに余裕を生んでいるとみる。

和田さんによると、メンタルの強い人とは、強心臓の持ち主や完全主義者ではない。「いいときも悪いときもある。でも悪いことは続かない」という思考に持っていける人物こそが、それなのだという。「何が起きても大丈夫と腹をくくれるところが、大谷選手の強みではないか」

米大リーグを約30年間取材している近畿大非常勤講師でスポーツジャーナリストの菊地慶剛(よしたか)さんも「ほとんどの人がルースの投打の二刀流を生で見たことがない。そんな『神話』の世界を再現してくれた。他の追随を許さない存在だ」と称賛を惜しまない。

菊地さんは2桁本塁打以上に、投手としての2桁勝利の重みを強調する。「1918年にルースが所属していたレッドソックスと違い、エンゼルスでは打線の援護に恵まれていない。勝てないチームで達成したことに着目すべきだ」

米国では二刀流を目指す子供が増えているといい、その影響力は大きくなる一方だ。「このまま二刀流でどこまでハイレベルを保てるか。投打のいずれかに専念したらどうなるか。そんな選手をリアルタイムで見ることのできる夢のような時代だ」と感慨を込めて語った。

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