「不自由展」は昭和天皇への「ヘイト」 実行委側は争う姿勢、名古屋地裁

名古屋地裁=名古屋市中区
名古屋地裁=名古屋市中区

愛知県で令和元年8月から開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」内の企画展「表現の不自由展・その後」で、昭和天皇の肖像を燃やすような動画作品が展示され精神的苦痛を受けたとして、大阪府内在住の主婦3人がトリエンナーレの実行委員会側に慰謝料を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、名古屋地裁(佐野信裁判長)で開かれ、被告側は請求棄却を求めた。

被告は実行委員会会長だった大村秀章・愛知県知事のほか、同県と、芸術監督を務めたジャーナリストの津田大介氏。主婦らは昨年10月に大阪地裁に提訴したが、訴訟はその後、名古屋地裁に移されていた。

この日の弁論では、原告3人が意見陳述。山口文江さん(54)は天皇を敬愛する立場として、「(動画作品には)本当に心がつぶれる思いでつらい。展示を『やめて』といっても全然止まらなかった」と提訴に踏み切った思いを述べた。一方、被告側は答弁書で、「動画は憎悪感情を表現したものではなく、ヘイト行為に当たらない」などと主張している。

原告側は弁論後に名古屋市内で会見し、代理人の高池勝彦弁護士は「(天皇への)侮辱が軽く考えられすぎており、訴訟を通じて問題提起したい」と話した。

訴状によると、「不自由展」に展示された動画作品には、コラージュ画に使われた昭和天皇の肖像をガスバーナーで燃やし、灰を足で踏むようなシーンが登場。こうした表現行為は、天皇ならびに国民に対する「ヘイト行為」で違法だとし、原告3人は1人当たり50万円、計150万円の慰謝料を求めている。

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