「新しい資本主義」萩生田氏が牽引 財務省の巻き返しも

記者会見する萩生田光一政調会長=10日午前、東京・永田町の自民党本部(松井英幸撮影)
記者会見する萩生田光一政調会長=10日午前、東京・永田町の自民党本部(松井英幸撮影)

10日の内閣改造・自民党役員人事では政策立案の責任者である党政調会長に萩生田光一経済産業相が起用され、岸田文雄政権の看板政策「新しい資本主義」の実現を担う。日本経済の地力を高め、賃上げによる可処分所得の向上を達成できるかが焦点だ。安倍晋三元首相を後ろ盾に積極財政派を牽引(けんいん)してきた高市早苗政調会長が党四役から外れ、財政再建を目指す財務省が巻き返すかも注目される。

萩生田氏は10日の記者会見で「新しい時代を見据えた改革、成長戦略を推し進めていきたい」と述べた。

6月決定の経済財政運営指針「骨太の方針」では、成長分野への労働移動を進める「人への投資」などを通じ、企業の生産性を高めることで賃上げにつなげる道筋を描く。30年間ほとんど変わらないこの国の平均賃金を引き上げることが、物価高にあえぐ日本経済にとって喫緊の課題となる。

こうした岸田カラーの成長戦略策定で中心的役割を担ってきたのが経産省。令和5年度予算案の編成が本格化する年後半に向けて、所管大臣だった萩生田氏が政府の政策立案に強い影響力を持つ政調会長として権限を握り、新しい資本主義の具体化が加速しそうだ。

一方、政府が7月末に策定した5年度予算案の概算要求基準は「重要政策」と位置付ければ具体額なく要求できる異例の枠組みで、際限のない歳出膨張を懸念する声もある。ただ、内閣改造では財政健全化を「最大の使命」と語る鈴木俊一財務相が留任。新型コロナウイルス禍で弛緩(しかん)した財政規律の引き締めに向け動きが出てくる可能性もある。

(田辺裕晶)

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