朝晴れエッセー

寅さん世代・8月9日

7月24日の日曜日、但馬空港から伊丹空港へ。娘に会いに行った私たち夫婦は久しぶりに空路で帰った。夏の青い空に飛行機は上がってはすぐ下りるという短時間飛行で終わった。

しかし、その後が長く、遠く離れたターミナルまでのバス移動となった。24日はコロナ禍の夏休み突入直後で親子だらけであった。バスには親子たちが、われ先にと人の目を気にせず席の奪い合いであった。

まずいことに私たちの前のシートに1人の子供が2席を独占した。母親はこっちの席に来なさいと諭すが、子供はやんちゃ盛りらしく、してやったりと周りの大人相手に大騒ぎである。

私は、その子と目が合った瞬間、お母さんのところへ行きなさいと首で指示をし、じっと目を離さなかったので、怒られていることが分かったようだった。

ふと目線を上げると、その子の父親と目が合った。しばらくして、再び父親の目を見たら他の方を向いていて、なぜかホッとした。

他人の幼い子を親の前で叱ることの後ろめたさはいつから生まれたのだろう。映画「男はつらいよ」の寅さんのように、他人の子に本気で怒る大人が多くいれば、夏休みこそ本当のしつけができる機会であると思った夕方の出来事だった。


神谷忠顕(69) 兵庫県西宮市

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