世界的な衣服デザイナー、三宅一生さん死去 84歳

三宅一生さん(大西史朗撮影)
三宅一生さん(大西史朗撮影)

世界的な衣服デザイナーで文化勲章受章者の三宅一生(みやけ・いっせい、本名・三宅一生=みやけ・かずなる)さんが5日、肝細胞がんのため死去した。84歳だった。葬儀はすでに行い、告別式やお別れの会は開かない。

広島市生まれ。多摩美術大図案科在学中から衣服のデザインを始め、卒業後の昭和40年に渡仏。パリのオートクチュール(高級注文服)の学校で学び、ギ・ラロッシュ、ジバンシィのもとで修業を積む中、学生らの反体制運動、五月革命に遭遇。その後渡った米ニューヨークでもヒッピー文化などに触れたことで、社会階層などを問わない、ジーンズやTシャツのように身近で機能的な衣服作りを決意した。

45年、東京で三宅デザイン事務所を設立。48年から27年間、ブランド「イッセイミヤケ」のデザイナーとしてパリコレクションに参加。平面の布を立体の身体にまとわせる「一枚の布」の発想は、西洋の伝統的衣服観に一石を投じ、世界に影響を与えた。

平成5年に発売したロングセラーシリーズ「プリーツプリーズ」は、体と布のひだが作り出す美しさから〝着る彫刻〟とも評された。軽くて動きやすく、手軽に洗える機能性の高さも評価され、国や年齢、性別などを超え愛される「代表作」となった。

その後も一過性のファッション(流行)ではなく、デザインとイノベーション(革新)による服を探求。コンピューターで1本の糸から一体成型された服「A-POC」や再生繊維を使った服など、国内繊維メーカーや産地の工場と協働し衣服の可能性を広げた。

平成17年、高松宮殿下記念世界文化賞(彫刻部門)を受賞。22年に文化勲章、28年に仏レジオンドヌール勲章コマンドゥールを受章。

原点は爆心地「広島」の風景

「一枚の布」から可能性追求


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