金田、村上の大記録伝えた80歳のプロ野球実況アナ ニッポン放送・宮田統樹さん

「実況は生きがいであり、健康の源」と語るニッポン放送の宮田統樹アナウンサー=ベルーナドーム(浅野英介撮影)
「実況は生きがいであり、健康の源」と語るニッポン放送の宮田統樹アナウンサー=ベルーナドーム(浅野英介撮影)

ニッポン放送のプロ野球中継「ショウアップナイター」で50年以上にわたり実況を担当し、現在も同局の専属契約アナウンサーとして活躍する宮田統樹(のぶき)さん(80)。かつては巨人・金田正一投手の400勝達成の瞬間を伝えたほか、今月2日にヤクルト・村上宗隆内野手(22)が達成した5打席連続本塁打の瞬間もアナウンスした。昭和、平成、令和のプロ野球中継で第一線に立ち続ける宮田さんは「実況は生きがいであり、健康の源」として、猛暑が続く夏場も精力的に球場へ足を運んでいる。

村上の5打席連続本塁打の瞬間を実況

「実況は1カ月前から決まっていた。こういう試合を実況できるのは、アナウンサー冥利に尽きる」

今月2日、神宮球場で行われたヤクルト-中日戦。村上がプロ野球史上初となる5打席連続本塁打を達成した瞬間を実況(東海地方向け)したのが、村上の58歳年上である宮田さんだった。

昭和16年、神宮球場そばの東京・渋谷で生まれた。ラジオが好きで、小さいころはNHKのプロ野球中継に夢中になった。

「ファインプレーと聞くと、『どんなプレーだったのか、どんな打球だったのか』と想像していた。そうするうちに『アナウンサーの仕事はかっこいいな』と思った」とあこがれを抱いたという。

大学卒業後の昭和39年、ニッポン放送に入社。2年目からは本格的にプロ野球実況を担当することになった。

脳裏に残る「金田400勝」達成

今も脳裏に残っているのが、44年10月10日の巨人-中日戦(後楽園)。巨人の金田正一投手が前人未到の400勝を達成したこの日、宮田さんは試合途中から後楽園球場に駆け付け、大記録達成の瞬間を実況した。

「この日は宿直勤務。上司から『宮田、後楽園で金田が投げてるぞ。(現場に)行って、しゃべってこい』と突然いわれた」

試合は消化試合ということもあり、後楽園球場の客席は閑散としていたという。

「後で(自分の実況を)聞いたら、すごく恥ずかしかった。『金田400勝なる、金田400勝なる』『金田400勝、金田うれしそう』とそれだけ。王(貞治)さん、長嶋(茂雄)さんもいたのに」

球場の雰囲気も含め、現場の状況をうまく伝えることができなかったことは、今も苦い思い出として残っている。

「週3回のジム通い」で体調管理

「本番(実況)が終わった後は、体重が1、2キロ減っていると思う」(宮田さん)というハードな業務をこなす上で、宮田さんが大事にしていることが日々の体調管理だ。

80歳となった現在も、発声練習は毎日欠かさない。週3回程度はジムに通ってプールで泳いだり、歩行するなどして体を鍛えているという。

「実況は生きがいというか、健康の源。(実況を続けていることで)気持ちが前向きでいられる」と来年以降の実況にも意欲を見せる。「ニッポン放送のおかげで、いい人生を送らせてもらっている。(ニッポン放送の本社がある)有楽町に足を向けて寝られませんね」と笑った。(浅野英介)


会員限定記事会員サービス詳細