タッキー×京本大我 新作ミュージカル「流星の音色」で見せる2人の「二刀流」パワー

海の星の王子リーパ(京本大我)は、王位継承を告げられ葛藤する(松竹株式会社提供)
海の星の王子リーパ(京本大我)は、王位継承を告げられ葛藤する(松竹株式会社提供)

人気グループ「SixTONES」の京本大我(27)が、七夕をモチーフにした切ない恋を描く新作ミュージカル「流星の音色」(藤井清美脚本)で、主演・音楽・作詞の大奮闘を見せている。今作では、ジャニーズ事務所の滝沢秀明副社長がミュージカルを初演出。こちらも経営・創作を兼ね、いわばダブルでの「二刀流」。コロナ禍で開幕が延期された舞台だが、2人の二刀流パワーが牽引(けんいん)している。

作品は、七夕がモチーフ。年に1度だけ橋が架かる2つの星を舞台に、海の星の王子・リーパ(京本)と山の星の王女・シルウァ(真彩希帆)の悲恋を描く。京本は歌唱力とスター性を兼ね備え、「エリザベート」のルドルフ役や「ニュージーズ」での主演など、ミュージカルの舞台での活躍が目立つ実力派。今作では、相手役が宝塚きっての歌姫だった真彩で、その母親役に新妻聖子と、〝歌うま〟出演者がそろった。

山の星の王女・シルウァを演じる真彩希帆(松竹株式会社提供)
山の星の王女・シルウァを演じる真彩希帆(松竹株式会社提供)
山の星の女王フローラーリア役で、春を呼ぶ巫女のような歌声で魅了する新妻聖子(松竹株式会社提供)
山の星の女王フローラーリア役で、春を呼ぶ巫女のような歌声で魅了する新妻聖子(松竹株式会社提供)

王朝物ファンタジーで、衣装や装置も豪華。京本は純白の貴公子そのものの衣装で登場するが、偉大な父王(内海光司)から王位継承を告げられ、揺れる内面も繊細に表現。冷徹な二面性が垣間見える場面では、深紅と銀のハードな姿で、人が変わったような態度も見せる。

そんな孤独な王子の支えとなるのが、シルウァが奏でる竪琴だ。リーパの心情吐露が、遠くから響く竪琴と相まって歌となり、互いに姿の見えない2人は、音楽によって心を寄せ合う。しかし年に一度、2つの星に橋がかかる日には、大きな危険も潜んでいた-。

演出の滝沢は、新橋演舞場での「滝沢歌舞伎」シリーズで主演を重ねており、勝手知ったる劇場機構をフル活用。劇中、上部から垂れ下がる無数の星が、場面に応じて形を変え輝いたが、通常は300個のLED電球で済むところを、5000個使用したという。また、天の川を舞台上に現出させたような大量の水を使った演出も、大きな見どころ。舞台の額縁いっぱいに、踊るように形を変えるウオーターカーテンや雨に、客席からは思わずため息が漏れた。今作は当初、8月2日開幕予定だったが、新型コロナウィルス感染者が関係者に出て、4日に延期。その鬱憤を晴らすような激しい立ち廻り場面もあり、これぞサービス精神旺盛な〝タッキー流〟だ。

山の星の姫シルウァ(真彩希帆、右)に芽生えた恋を、母であるフローラーリア(新妻聖子)は心配する(松竹株式会社提供)
山の星の姫シルウァ(真彩希帆、右)に芽生えた恋を、母であるフローラーリア(新妻聖子)は心配する(松竹株式会社提供)

京本は今作で、初めて制作段階から作品に関わったという。もともと作曲活動をしており、その才能を滝沢が高く評価していたことから、今作では音楽も担当する「二刀流」が決定。「♪まるで夢のよう 何もかもが色付いて見える」と真っすぐな初恋を歌う「星と星が出逢う夜」をはじめ、自ら作詞作曲を手掛けたテーマ曲など7曲を提供。切ない思いを、ハイトーンボイスに込めた。

相手役である真彩の天上の歌声も健在。透明感のある主役2人のデュエットや、真彩と新妻の声域の広さと技術をじっくりと味わえる〝母娘競演〟もミュージカルファンなら聞き逃せない。リーパの父王役で元光GENJIの内海光司の存在感、侍女役の福麻むつ美の愛嬌(あいきょう)も、芝居を締めた。またリーパの友人役の松尾龍、林一敬らのはつらつとした動きも印象に残った。

東京公演は8月17日まで。名古屋、京都、広島公演あり。全席完売。(飯塚友子)


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