原子力はGXに極めて重要なピース 関西電力社長明言

関西電力美浜原発3号機=福井県美浜町
関西電力美浜原発3号機=福井県美浜町

関西電力の森望(のぞむ)社長が産経新聞のインタビューに応じ、電力を経済的・安定的に供給するため原発を活用していく考えを示した。政府は脱炭素化を進める「GX(グリーントランスフォーメーション)」を推進しており、森社長は「ゼロカーボン(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向けた動きの中で、原子力は極めて重要なピースだ」と明言した。将来の事業拡大を目指しベンチャー企業への投資枠を110億円に引き上げる方針も明らかにした。

夏から冬にかけての電力需給について、「需要と供給両面の対策を全て行って万全を期したい」と強調。供給に関しては「原発をしっかりと動かすことがベースになる。それ以外の発電もトラブルを起こさないよう保全し、設備を健全に動かしていく」と語った。

休止中の火力発電所については「稼働できる状況に戻すには相当な時間と労力がかかる。今年の需給に貢献するために再稼働させることは難しい」とした。

関電は7~9月に、節電に協力すれば電気料金の支払いなどに使えるポイントがもらえるプログラムを実施している。ただ、現在の参加者は対象家庭の1%に満たないため、さらに参加を呼びかけるとした。

冬の電力需給も予断を許さないとし、「節電ポイントを継続したり改めて実施したりすることも選択肢だ。少しでも需要を抑制し、電気使用量のピークを抑えていく」と語った。電気料金の値上げについては「今の時点で何か準備していることはない」とした。

また、ベンチャー企業やスタートアップ(新興企業)への投資枠を昨年度の90億円から110億円に引き上げる考えも表明した。エネルギーを中心に社会インフラなどに投資しており、「将来のコアとなる技術を模索し、事業として展開できるものを広げていきたい」と述べた。

一方、関電の歴代幹部による金品受領・報酬補塡問題で大阪第2検察審査会が旧経営陣3人を「起訴相当」と議決したことについては、「コンプライアンス(法令順守)やガバナンス(企業統治)、企業風土の問題があり、こうした観点から業務改善計画を引き続き着実に進めていく。これは終わりがないと思っている」と話した。(井上浩平)

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