社、夏初勝利も静かに整列 集団感染の相手に配慮

【社-県岐阜商】一回、右前に先制適時打を放つ社の福谷=甲子園(鳥越瑞絵撮影)
【社-県岐阜商】一回、右前に先制適時打を放つ社の福谷=甲子園(鳥越瑞絵撮影)

創部74年目で夏の甲子園初勝利を決めても、社(兵庫)ナインは喜びを爆発させることなく、静かに整列した。9日に行われた全国高校野球選手権大会第4日の第4試合。新型コロナウイルスの集団感染により、登録選手を大幅に入れ替えて戦った県岐阜商の苦しさをおもんばかった。1失点で無四球完投勝利を収めた堀田は「表情に出したり、ガッツポーズしたりはなしで、心の中で喜ぼうとチームで統一した」と打ち明けた。

それでも、試合中は応援してくれる人たちのために「負けるわけにはいかない。必死に勝ちにいった」(山本監督)と勝利だけを見据えてプレーした。

チームを勢いづけたのは一回の先制点。1死から一塁走者の後藤が自らの判断で盗塁を決めると、敵失を誘って三塁へ。続く福谷が右前に適時打を放った。常に状況判断を繰り返すという社のチームスタイルが、先制シーンに凝縮されていた。

相手バッテリーは2年生投手と1年生捕手。後藤は経験の浅さを突き、福谷は勢いのあるボールに逆らわず逆方向を狙った。その後も大振りせずにこつこつとつなぐ攻撃を繰り返した。三回までに放った8安打はすべて単打。序盤に大量点を奪い、主導権を握った。

山本監督は勝利の校歌が流れているときも、自宅待機をしている県岐阜商の選手のことを考えていたという。複雑な心境の勝利となったが、チームとして相手の思いを引き継ぎ、甲子園という大舞台で次も勝ちにいくプレーに徹する。(鮫島敬三)

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