日野自のエンジン不正 自動車・建機メーカーにも影響が拡大

日野自動車のエンジンの排出ガスや燃費試験のデータ改竄(かいざん)問題の影響が納入先に拡大している。日野自が製造したエンジンを搭載するバスや建設機械が相次いで出荷を停止する事態に陥っている。納入先が販売した車種で、リコール(回収・無償修理)が発生する可能性も出ている。

日野自によると現行の生産エンジン14機種、生産が終了した13機種で排ガス不正が判明している。この影響で納入先の自動車メーカーや建機メーカーが出荷停止の措置を余儀なくされている。

いすゞ自動車は2日から日野自との合弁会社ジェイ・バスで生産する大型観光バス「ガーラ」、中型観光バス「ガーラミオ」、大型路線バス「エルガハイブリッド」、大型路線ハイブリッド連節バス「エルガデュオ」の出荷を停止した。出荷再開の時期は未定だ。

5日の決算会見で、南真介専務執行役員は新型コロナウイルス感染拡大の影響で観光バスの需要が落ち込んでいるとして「業績への影響は軽微だ」と説明。いすゞは不正対象となる車種を国内で計2245台販売している。

トヨタ自動車は小型バス「コースター」の一部改良モデルを発売する予定だったが、延期を決めた。現行車は日野自からエンジン供給を受けている。

コベルコ建機も中大型の油圧ショベルやクレーンなどの新規受注を停止した。これまで国内で不正の対象機種を約9千台販売しており、「リコールを実施する可能性もあり、その場合は速やかに日野自と必要な措置をとる」(広報)。

このほか日立建機も日野自が生産したエンジンを搭載したホイールローダーを国内で約300台販売しており、出荷をとめた。加藤製作所も大型クレーン車の受注を停止した。

新たな不正発覚は日野自にも大きな影響を与えている。中大型のトラックの出荷を停止し、現在は小型トラックのみ販売している。今回の調査対象は国内だけで北米や東南アジアは対象外のため、さらなる影響の拡大が懸念される。

(黄金崎元)

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