浪速風

習政権のオウンゴール

台湾総統府で会談に臨み手を振る蔡英文総統(右)とペロシ米下院議長=3日、台北(総統府提供・共同)
台湾総統府で会談に臨み手を振る蔡英文総統(右)とペロシ米下院議長=3日、台北(総統府提供・共同)

香港中心部でデモ隊から「ペロシ」コールが沸き起こったのは2019年9月のこと。ペロシ米下院議長は当時、中国の習近平政権に抗議デモ弾圧を自制させるための「香港人権民主法案」を推し進めていた。ペロシ氏の写真を手に米国の支援を求める香港人たちの、わらをもつかむ思いを感じた

▶香港の「一国二制度」は本来、台湾を統一する仕組みとして鄧小平が考え出した。「今日の香港は明日の台湾」。香港の自由が奪われる中で台湾人たちは中国への不信感を募らせ、一時再選が危ぶまれた蔡英文氏は20年1月の総統選で圧勝した

▶習政権は一丁目一番地の台湾政策でオウンゴールを重ねている。ペロシ氏訪台への報復で露骨な軍事威嚇を強めるが、平和統一は遠のくばかり。愛国宣伝が育んだ国内の民族主義者からは弱腰を批判する皮肉も聞こえる。「上海でコロナ対策の隔離措置を担った自治組織のほうが、ペロシ訪台を許した中国外務省よりも厳格だ」

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