「次元はかわいい奴」 小林清志さん、生涯現役の声優人生

アニメ「ルパン三世」の次元大介(ⓒモンキー・パンチ/TMS・NTV)
アニメ「ルパン三世」の次元大介(ⓒモンキー・パンチ/TMS・NTV)

「次元はクールでダンディーで、ちょっとワル。よくこうやって言われるけど、いつもルパンにくっついているかわいい奴だよ」

89歳で亡くなった声優の小林清志さんにとって、次元大介役は半世紀にわたってこだわり続けたライフワーク。平成25年に取材した際も、次元について「かわいい奴だよ」とうれしそうに語る姿が印象的だった。

ルパンをはじめとする主要キャラクターのうち、小林さんだけが唯一、パイロット版から一貫して次元役を演じ続けた。ただし、最初は次元の〝鋭さ〟を出すのに苦戦したと振り返る。

「ずっと苦労しっぱなしだよ。だが、葛藤を通り過ぎると、自分のものになっていった。というか、自分が次元に近づいていった」

次元といえば、あの独特の渋い声。ダンディーな声質の秘訣について、「舞台の経験と腹式呼吸。それと睡眠」と語っていた。

「若いころに毎日芝居をやっていて、『歌舞伎座でやっているように声を出せ』と訓練された。それがこの声を出し続けられている理由かな。それと、やっぱり睡眠が大事だよ」

「年を取っても、取ったなりの次元を演じ続けたい」という言葉通りの活躍を続けていた小林さんだったが、昨秋、高齢を理由に大塚明夫さんと交代。最後のコメントは「ルパン。俺はそろそろずらかるぜ。あばよ」だった。次元大介というニヒルな男を体現したような、独特の美意識を貫いた半世紀超の声優人生だった。(本間英士)

声優の小林清志さん死去 「ルパン三世」次元大介役

会員限定記事会員サービス詳細