「第7波」のお盆 行動制限せず乗り切る構え 首相、経済も重視

炎天下の原宿を歩く買い物客ら=8日午後、東京都渋谷区(松井英幸撮影)
炎天下の原宿を歩く買い物客ら=8日午後、東京都渋谷区(松井英幸撮影)

新型コロナウイルスの流行「第7波」が続く中、岸田文雄首相は蔓延(まんえん)防止等重点措置の適用などの行動制限をせずにお盆休みを迎える。政府内では感染拡大が「ピークアウトした」との見方もあり、第7波をこのまま乗り切れるとみている。一方、一部の自治体は独自の行動制限に踏み切っている。

首相は行動制限は経済社会活動に与える悪影響が大きい上、効果は薄いと判断している。東京都の資料によると、7月26日~8月1日の新規感染者の感染経路は「同居」が7割を占め、特別養護老人ホームなど「施設等」の14・3%が続く。「会食」は1・7%にとどまり、従来のような飲食店対象の行動制限は「効果に比べて経済的な打撃が釣り合わない」(政府高官)状況にある。

また、感染拡大は8月第1週をピークに減少傾向に入るとの見方も首相の姿勢を後押しした。内閣官房は、8月第1週に都内の新規感染者数の7日間平均は1日当たり約4万人に達するが、感染によって免疫を持つ人が増える影響などで、この後は緩やかに減り始めると試算した。

実際、都の新規感染者数は減少傾向が見え始めた。7日発表の新規感染者は2万6313人で、前の週の日曜日に比べ5228人減った。首相周辺は「予想通り。行動制限なしで第7波を乗り切れるだろう」と語る。

一方、第7波到来以降、都道府県の一部は独自に住民に行動制限を求めてきた。大阪府は7月28日から8月27日まで重症化リスクの高い65歳以上の高齢者に不要不急の外出自粛を要請した。沖縄県は会食について「4人以下、2時間以内」で行うよう求めた。

政府はこうした自治体の取り組みを後方支援する。その軸となるのが7月29日に新設を決定した「BA・5対策強化宣言」だ。病床使用率が50%を超えるなど医療現場の負担が高い場合、都道府県が自主判断で宣言を発出。大阪府がすでに始めた高齢者らへの外出自粛要請などを都道府県が状況に応じて行える。

さらに宣言を出した都道府県に対し、政府は必要に応じて助言したり、応援の連絡職員を派遣したりする。神奈川、千葉、埼玉、宮城、新潟など宣言を出す自治体が相次いだ。一方、小池百合子都知事は否定的で、和歌山県の仁坂吉伸知事は「何の役にも立たないので宣言はしない」と明言するなど評価は分かれている。(竹之内秀介)

会員限定記事会員サービス詳細