9年分の進化は凄い! 新型日産エクストレイル試乗記

モーターとブレーキで4輪の駆動力を調整するのがe-4ORCEだ。悪路での走破性、コーナリング能力、それに安定性の向上を謳う。アクセルペダルをパッと閉じるとタイヤの回転のせいで、乗員の頭が振られるのは一般的であるが、e-4ORCEでは、前後輪の駆動力制御でフラットな姿勢が維持出来るとしている。

さらに新型エクストレイルでは、独特の構造をもつピストンによる可変圧縮比エンジン(「VCターボ」と呼称される)を搭載した。走行に応じて圧縮比を変える(出力を変える)ため、1.5リッターから最大2.8リッターの排気量に相当するパワーと、燃費効率のよさを同時に追求出来るとされる。バッテリーへの電力供給のためのエンジンにとって、重要な性能なのだ。

幅広いニーズに対応

実際運転すると、力強い加速力を発揮するうえに、レーン・チェンジ時の素早さと安定感の高さは、目をみはるばかりだ。瞬時に大きなトルクを発生するモーターの特性を活かしているとともに、正確なステアリングと、しっかりしたサスペンションシステムをきれいにまとめあげているという感じである。

3列シート仕様もあって、幅広いニーズへの対応が目指されているのは仕方がないことだけれど、悪路も走れるピープルムーバーに終わっていないところがたいへん良い。

静粛性を高めることも、新型エクストレイルの大事な目標だったという通り、たしかに速度がかなり上がっても、意外なほど室内は静かだ。タンというベージュ系の内装色で雰囲気を出した仕様や、「エクストリーマーX」なる、アウトドアテイストを打ち出した仕様などは、クルマに乗ることを楽しみたいひとに向いている。

個人的に評価したい機能もいろいろあった。ひとつは「3ゾーン・エアコン」。運転席と助手席と後席で個別に温度調節が可能になっている。もうひとつは、後席用のドアシェイド。ウインドウ用の日除けで、フランスのSUVには装着車が多い。これも便利なもの。

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