各地の鉄道やバスなどの公共交通機関で、Visaのクレジットカードを専用端末にかざして運賃を支払うタッチ決済の導入がじわじわと拡大している。欧米を中心に海外では普及している国も多く、事業者は訪日外国人観光客(インバウンド)の利便性向上や、自社カード発行のコスト削減などを狙う。一方、国内ではSuica(スイカ)など交通系ICカードが主流で、首都圏の鉄道への導入には高いハードルがあるという。
7月22日、JR九州がJRグループとして初めて、Visaタッチ決済機器を自動改札機に設置する実証実験を始めた。対象は利用客が多い鹿児島本線の博多駅など5駅。同社は今年に入ってから本格的な検討を進めてきたといい、「有用性を検証したい」としている。
Visaタッチ決済とは、対応するクレジットカードなどを機器にかざすことで支払いができる非接触型の決済手段。国内では約7100万枚の対象カードが発行されており(3月末時点)、コンビニエンスストアや飲食店、百貨店など、あらゆる日常のシーンで利用できる。