安倍晋三元首相(67)が奈良市での選挙演説中に銃撃されて死亡した事件で、警察当局が地方で要人警護に当たる道府県警の警護員の研修を拡充する方向で検討していることが6日、分かった。事件を受け、全国警察の警護能力の底上げを図るため、多くの警護員が研修を受ける必要があると判断した。事件は8日で1カ月を迎える。
事件では、安倍氏は周囲を360度見渡せるガードレールに四方を囲まれた狭いエリアで演説中に、山上徹也容疑者(41)に手製の銃で撃たれた。
ガードレール内には、警視庁のSP(セキュリティーポリス)1人と県警の警護員3人が配置。後方を見る役割だった警護員の1人が演説直前に前方を警戒するよう方針転換されたが、現地の統括役など警護員同士で意思疎通ができておらず、後方を警戒する警護員がいなくなるなど、指揮が不十分だったことが問題点として指摘されている。