被爆2世らでつくる「平和と安全を求める被爆者たちの会」は6日、広島市の平和記念公園にある原爆慰霊碑前で会としての平和宣言を朗読した。核兵器禁止条約の批准を求める「平和行政」は日本の安全保障の基軸である日米同盟を毀損(きそん)するものだと批判した。
同会は、被爆者やその家族らは反核一辺倒ではないとし、平成22年に創設。原爆の日に合わせ、広島市長による平和宣言と一線を画した「私たちの平和宣言」を毎年公表し、慰霊碑前で朗読するなどしている。今年は20人以上が参加した。
松井一実市長が平和宣言で日本政府に核兵器禁止条約の早期批准などを求めたのに対し、会独自の宣言では、同条約は日米同盟の本質と相いれず「日本の安全保障方策を根底から覆す」と指摘。戦争被爆者らに思いをはせつつ「日本の現実的な平和と安全を強化させることを誓う」とした。
副代表の池中美平さん(73)は取材に「広島の中にも多様な意見がある。市の平和に対する姿勢はわが国の安全保障を危うくするものだ」と述べた。