6日に行われた陸上の実業団・学生対抗の男子110メートル障害では、高山峻野(ゼンリン)が追い風0・6メートルの条件下で、13秒10をマークして優勝した。
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「今日が人生のピークです」。会心のレースで男子110メートル障害を制し、高山は笑った。13秒10は今季世界8位、日本歴代2位の好記録。自己記録を0秒15縮め日本記録の13秒06に迫った。スタートから飛び出すと、追い風に乗って最後まで勢いが衰えなかった。
この種目は実力者がそろう。6月の布勢スプリントで13秒31を出し、参加標準記録を突破しながら世界選手権出場を逃した。「練習期間がもらえた」と捉え、ウエートトレーニングを積極的に行い、走りに力強さが増した。「1週間ほど前まで、毎日お酒を飲んで自堕落な生活を送っていた。こんなタイムが出るとは」との言葉は、照れ隠しのようにも聞こえる。
2019年に当時の日本記録を出した27歳。日本記録更新も視野に入る好走にも、本人は冷静だ。「13秒3台を安定して出したい。追い風が吹けばいいタイムが出る」。着実に進んでいく。(小川寛太)