寺田稔首相補佐官「NPT会議、広島サミットの弾みに」

核軍縮・不拡散問題担当の寺田稔首相補佐官=東京都千代田区(三尾郁恵撮影)
核軍縮・不拡散問題担当の寺田稔首相補佐官=東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

岸田文雄首相が重視する核軍縮を担当する寺田稔首相補佐官が、6日までに産経新聞の単独インタビューに応じた。

――首相は「核なき世界」を目指している

「徐々に減らして最終的にはゼロにする。誰も核を持っていなければ核抑止の必要はない。それが理想だ。軍事費も節約できる」

―-とはいえ、日本は米国の拡大抑止(核の傘)に守られている側面もある

「近隣国のロシアや中国、おそらく北朝鮮も核兵器を保有している。日本の安全保障を考えると拡大抑止しかない。現状は認めつつ、代わりにどんどん核兵器を減らしていく。これは私が交渉役を務める米ニューヨークで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議でも合意したい」

――7年前の前回は合意文書の採択にいたらなかった。NPTの機能不全が指摘されている

「採択のハードルは今回も極めて高い。ロシアによるウクライナ侵攻以降、ロシアが入った国際会議で最終文書の合意に至ったものはない。再検討会議の採択は全会一致だ。常に日本の主張に反対してくる中国の台頭もある。7年前より核軍縮をめぐる状況は悪化している。それでも、NPT体制を守っていくためにもなんとか合意を得たい。実現すれば来年5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)にも弾みがつく」

――安倍晋三元首相は核共有(ニュークリア・シェアリング)の議論も否定しなかった

「核共有の議論には現状は乗れない。今の拡大抑止より、核の保有に一歩近づくことになる。核不拡散からの逆行になる。拡大抑止がきちんと効いてれば核共有の必要はない」

―-自身も広島出身だ

「核の悲惨さを発信することは重要だ。6日には国連のグテレス事務総長に原爆資料館を見ていただいた。6年前のオバマ米大統領の広島訪問は、当時のケリー国務長官が資料館を見たことがきっかけになった。今回も意義あるものにしたい」

(聞き手 永井大輔)

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